後発医薬品の情報提供に苦慮[LINK] (
薬事日報[LINK]さま)からのtb。
ジェネリック医薬品について。
本ブログのこの辺の記事と合わせてお読みください。
↓
命と薬と思想の価値(1)[LINK]
命と薬と思想の価値(2)[LINK]
命と薬と思想の価値(3)[LINK]
TVCMなどでも「
ジェネリック医薬品」を盛んに宣伝しておりますが、そもそもどういうものかというのは詳しくは語られていません。
薬学知識の無い一般の患者様からみれば、「効き目は一緒でも安い医薬品なんだ、こりゃいいや」というイメージが真っ先に浮かぶでしょう。
だがしかし。
本当に
その謳い文句は正しいのか。
そもそもジェネリック(generic)という言葉には「ノーブランド」とか「無印」なんて意味があります。
前述の本ブログ記事にも書きましたが、最初に開発した医薬品にはパテントが発生します。そのライセンス料はもちろん価格に反映しますが、20〜25年経てば特許期間が終了し、他のメーカーも販売可能になります。これがジェネリック医薬品です。
昔の言い方で言えばピカ新とゾロです。
何でジェネリック医薬品が安くなるのかと言うと、そもそもジェネリックの薬価が新薬より安くなるように定められている、というのもありますが・・・
ライセンス料が発生しない事や、新薬に比べて承認のための試験数が少ない事、つまり医薬品開発の手間が少ない事などから、価格を安く抑えることが出来ます。
まあ、この辺は前の記事にも書いてあるのであまり深くは触れません。
さて、このジェネリック医薬品は値段も安くて患者にとってはとてもメリットの大きいものなのですが、デメリットもあります。
いや、デメリットというよりはそもそもジェネリック医薬品というものへの間違った認識、でしょうか。
最初に忘れないで頂きたいのが、
新薬とそのジェネリック医薬品は同じものでは無いと言う事です。
これはtb先記事の
先発品と後発品では
製造方法や添加物が異なり、安定性や吸収性に差があるため、「(両者を)違うものと認識して使うことが必要」と指摘
からも分かるように、新薬とジェネリック医薬品は、そもそも作り方が違います。
新薬の時にDMF申請した製造方法よりも、効率的でローコストな製造方法を検討し、製造コストを下げられる事がジェネリック医薬品の強みです。
しかし。
製造方法が違うと言う事は、出来たものは別物、と言う事です。
安定性や吸収性、つまり物性もバイオアベイラビリティも同一ではないです。同等ではありますが。
さらに、医薬品の有効成分というと、それ一つでしかイメージしないと思いますが、実際には
微量な不純物が存在します。
この不純物のプロファイルというのは製造方法や設備が変われば別物になります。
それ故、「同じ成分」というのはあくまで「同じ成分を最終化合物として製造しました」ぐらいの意味でしかありません。
それが新薬よりも高純度かもしれないし純度が下がっているかもしれませんが、別物である事には変わりありません(純度下げる事は無いでしょうが・・・)。
また、下記のような指摘があります。
後発品の効き目は先発品と同じと印字されている処方せんがある。生物学的同等性は証明されているが、治療学的同等性は証明されておらず、(厳密に言えば)効き目が同じという表現は不適切
即ち、新薬とジェネリック医薬品で薬物動態は調べるけど、治療効果については省略される、って事です。
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